体力が落ちているようで、今回はけっこうこたえました。こんなんで夏を乗り切れるのかしらとちょっと心配になり、鰻でも食べて体力をつけようかとも思うのですが、美味しい鰻って少ないんですよねぇ。
先日、食のパターンとして、社会的な規範(伝統、宗教、健康情報など)に忠実な人と、自分の本能に忠実な人とがいるんじゃないかという話を書いてみました(過去記事「忠実な食、我儘な食」)。
自分の本能に忠実な人、それは健康に悪いよと言われても、そんなもの食べちゃいけないよと言われても食べたいものを食べる人。
極端な言い方をするとこうなります。
本能や欲求に忠実というと連想することがあります。
何かが無性に食べたくなる欲求。
無性に甘いものが食べたくなる
無性にレモンが齧りたくなる
無性に鰻が食いたくなる
無性に壁の漆喰が食べたくてたまらない
そして、その無性な欲求というのは、体に不足しているものを補おうとするメカニズムなのだという理屈。
この理屈はどのくらい本当なのだろうとずっと疑問に思っていました。
今でも疑問は解決されたわけではないのですが、現時点でこうではないかと思っているところを書いてみますと・・・
無性に**が食べたくなる、という欲求は体に不足しているものを補おうとしているのだ
というのは、ある意味方向的には正しいと思います。
ただ、人間にはある種の栄養素をたくわえられる時にたくわえておこうという性質があるようです。
人間の歴史の中で飢餓の心配が無い状況というのは、非常に短い期間、しかも限られた地域のこと。
多くの時代、多くの地域では、ヒトはいつ襲ってきても不思議はない食糧不足や飢餓におびえながら暮らしてきました。そんな時に猪の一頭でもしとめれば、過剰ともいえるご馳走。しかし将来のために無駄にするわけにはいきません。塩漬けや燻製などで保存の術も駆使したでしょうが、食べられるうちに食べておくというのも一つの確実な方法だったわけです。
伏木亨「グルメの話 おいしさの科学 (サイエンティフィックアドベンチャー)
食糧不足の珍しくないヒトの歴史の中で、脂肪は食べられる時に食べておかなければというもの。だから、食べられる時にいくらでも食べられる、体が欲求するメカニズムができたのではないでしょうか。
似たようなことが甘味やアミノ酸などの旨味にも言えそうです。
甘味はでんぷん、アミノ酸は蛋白質がもとになっています。
炭水化物、脂肪、蛋白質という三大栄養素に対して、人間はその存在を嗅ぎわける力(主に味覚)と、それらをもっともっとと際限なく要求するメカニズムを身につけた・・・のかもしれません。
三大栄養素以外にも塩にもそういう側面がありそうです。
しかし、食糧不足や飢餓と隣り合わせでなくなった時にも、それらのメカニズムが急に消滅するわけではありません。
溢れる食品の中で、ヒトはもっと甘いものを、もっと旨味のあるものを、もっと脂を、もっと塩を・・・と要求し続けるのです。
ここで「無性に**が食べたくなる、という欲求は体に不足しているものを補おうとしているのだ」というのは破綻を生じます。
不足はしてないのだけど、将来不足することを考えて体が欲求している。
でも、現実には食べ物が不足する事態なんてのは全然訪れない。
ぎりぎりのところで生きてきた生物としてのメカニズムは、飽食の時代、飽食の地方にはただただ体の過剰をふくれあがせる方向へと突っ走ります。
では、三大栄養素以外についてはどうでしょうか?
例えば妊娠すると酸っぱいものが食べたくなる。
酸っぱいものじゃなくっても、いろんな変なもの、今まで見向きもしなかったものが食べたくなることもあるそうです。
こういうのは正に「体が欲している」状態なのかもしれないなあと思います。
ふだんは欲しくもないのに、いきなり欲しくなる。というのは体の変化、体の中のなにかの不足に反応しているのかも。
四六時中体が欲するものには警戒が必要ですが、ごくたまに無性に食べたくなる欲求には少し耳を傾けた方がいいのかもしれません。
で、ワタクシはふだん鰻なんか食べたくないんですが、今はおいし〜い鰻が無性に食べたいわけです。
ここはやはり素直に耳を傾けるべきなんでしょうね。
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私はたまに、無性にソースものが食べたくなります。
普段、お好み焼きも好きというわけではないのですが、その時はとても食べたい。
私の体に半分流れている関西人の血のせい(?)と思っていましたが、私の体は何を求めているのでしょう?
ところが市販の出来合いやレトルトなどを殆ど買わない生活を数年間続けていると、そういう欲求が無くなってしまったのです。あれはグルタミン酸などのアミノ酸系調味料の中毒症状だったんだ・・・と今では納得してる次第。いや、ひょっとすると単に歳とって味覚が変わっただけだったりして・・・^^;;^^;;