2009年05月21日

ミズダコは美味しいか、おぞましいか?

「食べるに適した動物は、徹底的に忌み嫌うまでにおとしめられることも、ペットの極地にまで高められることもない。それらの両極端は、禁じられた肉に対してだけなされる」

過去記事「あんな(かわいい/おぞましい)ものを食べるなんて!?」を書いた後で、マーヴィン・ハリス「食と文化の謎―Good to eatの人類学」の中に見つけた一文です。
おおっ、ワタシとおんなじこと考えてる人がいるじゃん!

親近感を持ってしまった動物。
嫌悪感を持ってしまった動物。
そういう動物はとても食べる気にはならないというのが人情。
ということが多いようです。

そのことに気付いてから、じゃあふだん美味しくいただいてる食材が実はおぞましいものだと分かったら、人間はどういう反応をするんだろうか?
とちょっと考えてみました。

昔、水族館でミズダコを見たことがあります。
それまで水蛸というのは、居酒屋のお皿の上に載ってたり、スーパーの魚売り場でたまに見かけたりする対象。
うーん、美味しそう・・・と舌なめずりしながら眺める対象でした。

しかし、水族館の透明なショーケースもどきの水槽に飼われていて、四方八方からの視線に晒されたそれは、おそろしく形の定まらないぶっとい足をうにうにとアメーバのごとく動かしてのろのろと移動する、巨大な気味の悪い物体だったのです。

もしも、もしも、ミズダコなんか食べたことなかったら、この水族館のミズダコを食べられるものだとは思わない、食べる気になんかならないだろうな。
そう思ったことを覚えています。

ミズダコが食べられるってことを知ってる。
ミズダコが美味しいってことを知ってる。
だから、ワタクシの中の理性(?)は、水族館のミズダコのすんごく気持ちの悪い映像が過去の美味の記憶を飲み込もうとするのを必死で阻止していたように思います。
「ミズダコはおぞましい」と「ミズダコは美味しい」ってのが、頭ん中で戦ってたんですね。

人はふだん食べてる動物性食材に対して過剰な嫌悪感を持たないようマインドコントロールしてる。

ってことが言えるのかもしれません。
同様に、

人はふだん食べてる動物性食材に対して過剰な親近感を持たないようマインドコントロールしてる。

ってことも言えるのかもしれません。

とはいえ、全ての人間がワタシみたいに食い意地が張ってるわけじゃないと思います。
たとえみんなが食べていても、ミズダコの気持ち悪さに負けて食べられなくなっちゃう人もいるんだと思うんです。
たとえまわりの食文化がこれは食べるものだと言っていても、牛さんや豚さんがかわいそうになっちゃったあまり、牛肉や豚肉が食べられなくなっちゃう人もいるんだと思うんです。
人間ってバラエティがありますから。

マーヴィン・ハリス「食と文化の謎―Good to eatの人類学」によると、ある社会で食材とみなされていない動物は、役に立つか立たないかで親近感を持たれるか嫌悪感を持たれるかに分けられていくのだそうです。

例えば牛を食べないヒンズー教では、牛は神聖視されてます。それは牛がミルクを提供するから、肥料や燃料となる牛糞をもたらしてくれるから。
イスラム教では食材とされない豚はおとしめられています。ミルクも出さなければ、労働もしないから。
欧米では犬や猫は親近感を持たれています。番犬となったり、ネズミを取ったりと役立つ上、最近ではペットとして人を癒すのに多大な功績があるから。
そして昨日述べたように(過去記事「欧米ではどうして虫を食べないのか?」参照)欧米では虫は食材と認められていませんが、その虫が嫌悪感、忌避感の対象までに落ちたのは、虫は畑を荒らし、貯蔵してある食べ物を食害し、時には人を噛んだり、刺したりするから。

なんだそうです。

こう考えてくると、

虫がおぞましいから食べられない

んじゃなっくって、

虫を食べないから、おぞましい

っていうのは、なるほどなあと納得がゆきます。

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