2009年05月22日

養蚕と昆虫食

今月のウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)、管理人のテーマは「虫を食べる」。
さまざまな昆虫食の世界を覗き、食材としての昆虫、虫の情報をウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)にアップする予定でしたが、なかなか進んでおりません。

一つには今まで昆虫食の知識ほぼゼロだった管理人、図書館から借りてきた本をいろいろ読み(と言っても時間があまり取れずにたいした量は読めていないのですが)、ほおお、へええと思うことが多く、ついつい昆虫食をめぐるグローバルなあれこれをネタにブログを書くのに熱中してしまいました。
これではいかんと、一昨日あたりから蛾関係の食材を少しばかりウィキクックレシピにアップしました。
(下の青字の食材名(昆虫名)をクリックしていただければ、該当食材情報のページが表示されます)
個々の昆虫についての食材情報、それほど突っ込んだところまで詳しくまとめる余裕はありませんので、初心者レベルの情報しか載っていません。今月はその程度がせいいっぱいかと。

蚕(カイコガ)
モパニムシ
エビガラスズメ
ボクトウガ
ウィッチェティ・グラブ

蛾を食べると言っても、普通は成虫は食材にしないようです。
読んだ中では唯一、カイコの成虫を料理する例がありましたが、これはかなり例外的なようです。
たいていの場合は幼虫、すなわち芋虫を食べるか、カイコのように蛹を食べます。

モパニムシ
エビガラスズメはアフリカで食用にされています。
野中健一「虫食む人々の暮らし (NHKブックス)」には、土地の人たちがモパニムシやギューノーと呼ばれるエビガラスズメの発生、採取などをどれほど楽しみにしているかなどが描かれています。生活に根付き、虫の生息していない都市部にも流通されるものも少なくありません。

オーストラリアのウィッチェティ・グラブも有名です。
ウィッチェティ・グラブとはある蛾の幼虫だけを指すのではなく、ボクトウガやカミキリムシ類、コガネムシ類の樹木の中に生息する芋虫の総称なんだそうです。

そして、蚕。
蚕というのは蜜蜂と並んで、古くから人により養殖、飼育されてきた昆虫です。
カイコガの飼育、養蚕の目的はもちろん絹を得ること。
卵から孵化した幼虫は桑の葉を食べて育ち、大きくなると糸を吐いて繭を作り、その中で蛹になります。
ご存知のようにこの繭の糸が絹糸なわけですが、カイコガが成虫になってしまっては困ります。成虫になるということはこの繭を破り、羽化することですから、せっかくの長い絹糸がずたずたにされてしまいます。
絹を得るためには、蛹がまだ蛹であるうちに繭を茹でて中の蛹を殺してしまいます。そして破れのない繭から絹糸を紡ぐ。

うろ覚えですが、子供のときに教わった養蚕の次第はこんな感じだったと思います。
ちなみに小学校の時に、クラスでカイコガを飼ったことがあります。教室の外の廊下に飼育箱を置き、誰がどこで手に入れたのか蚕の幼虫が中に入っていました。
男の子たちが先生に頼まれて、近くの山から桑の葉を集めてきていました。都会育ちの私は桑の木がどんな木なのかその頃はまったく知りませんでした。蚕の幼虫がどこから入手されたものかもそういえば不明です。その頃はまだ近隣で養蚕をやっている家が残っていたのかもしれません。
繭ができ、当然小学生の教育用の飼育なのだから、熱湯にほうりこんで殺すこともせず、ちゃんと羽化するまで育てました。羽化したものをほぉぉと眺めた記憶はあるのですが、どんな姿かたちの蛾だったのかはもう記憶にはありません。

さて、絹糸を取った後に残るものが茹で蛹です。
これが実は食用にされていました。
食用にするために飼うというよりは、絹糸の副産物としての蛹をもったいないから食べていたという側面の方が大きいのかもしれませんが、昔の農村では貴重な動物性蛋白源だったのでしょう。
戦時中だかの食糧難時に、製糸工場で女工たちが絹糸を取った後の蛹をどんどん食べてしまうのが問題になったという話もどこかで読みました。
(ちなみに蚕の蛹は、魚釣りの餌としても利用されているそうです)

世界的に食用にする蛾を眺め渡した時、殆どの場合幼虫(芋虫)を食べるのに対し、蚕は蛹を食べるというところが大きな違いです。
食べるという観点だけから見れば幼虫もおそらく問題なく食べられるのでしょうが、幼虫を食べてしまっては繭が得られない、絹糸が得られないという問題があります。あくまで養蚕の第一の目的は絹糸なのです。
芋虫食ではなく蛹食が定着しているのは、このためなのだと思われます。

さまざまな昆虫食を追い、実際にあれこれ食べてもおられる「虫食む人々の暮らし (NHKブックス)」の著者野中健一は、実は蚕の蛹だけは苦手だと書いています。
蚕の蛹は塩茹でにすることが多いようですが、冷めると独特なツーンとするにおいがあるのだそう。
このにおいがなんとも苦手なのだとか。
お隣韓国では、塩茹での蚕の蛹をスナックのように街角で売っていることがあり、町を歩くとどこからともなくその独特のにおいが漂ってくることがあるのだとか。

絹糸を作るという特技が無ければ、蚕は人に食べられるということは無かったのかもしれません。
もっとも http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B3 によると、カイコガというのは野生には存在しない蛾なのだそうで、おそらく人に飼育されているうちにある種の進化(?)を遂げた種。
絹糸を作るという特技が無ければ、そもそも存在しえなかった種。

そう考えると、蚕の存在にはなにか哀しいものを感じます。

ウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)−みんなのレシピ みんなで料理−は、みんなで食材情報やレシピを投稿したり、閲覧したりするサイトです。ユーザ登録は無料、お気軽にご参加下さい。閲覧の仕方、投稿の仕方が分かりづらいなどありましたら、このブログに是非その旨コメント下さい。回答するとともに、少しずつでも使いやすく改善していきたいと思っています。

ウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)−みんなのレシピ みんなで料理−5月21日のデータ

登録ユーザ数:32
食材ページ数(代表食材ページ数):766(574)
食品成分ページ数:9
レシピ数:45
新着食材ページ:ボクトウガウィッチェティ・グラブ
新着育て方ページ:無し
新着食品成分ページ:無し
新着レシピ:無し

この記事は、次のトラックバック・コミュニティにトラックバックしています。各コミュニティには、テーマに沿ったいろんな人のブログ記事が集まっています。興味のある方は覗いてみて下さい。
にほんブログ村 トラコミュ 昆虫食へ
 昆虫食 
にほんブログ村 トラコミュ 食文化へ
 食文化 



 
 
 
posted by WCR管理人 at 11:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | 食材
この記事へのコメント
蚕の一生についてずっと気になっておりましたので、とても勉強になりました。有り難うございます!
Posted by はな at 2015年09月11日 03:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。