2009年05月29日

虫を食べるのは野蛮か?虫を食べないのは偏見か?

五月も終盤になってしまいました。
ウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)、今月の管理人のテーマ「虫を食べる」で、昆虫食というものに目を向け、昆虫の食材情報を少しずつウィキクックレシピCategory:昆虫にアップしてきましたが、そろそろラストスパートをかけなければ・・・。

昨日はカメムシの話が出たついでに、

カメムシ
タイワンタガメ(メンダー)

の食材情報をアップ(青字の食材名とゆーか昆虫名をクリックしてみて下さい。該当食材ページが表示されます)。

タイワンタガメ(メンダー)カメムシの近縁で、やはり独自のにおいを分泌する昆虫です。でもこちらはカメムシほど嫌われていません。昨日の記事でもコメントをいただきましたが、バラの花のような香りと形容されることもあり、知らずにすり潰して料理したものを食べれば美味なんだそうです。
タイ料理の調味料としてもカメムシよりは知名度が高いと思います。

さて、一ヶ月近くにわたり、昆虫食をテーマにあることないこと書き連ねてきましたが、大前提にあるのは私が昆虫食とはほぼ無縁の人間であるということ、虫を食べるなんて想像するだけで虫唾が走ってしまう人間だということ。
でも、そういう人間から昆虫食の世界を見てみれば何が見えてくるんだろうか?

このテーマを取り上げる以前にも、虫を食べるということに思いを寄せるということはありました。
調理している野菜に虫がついていたり、味噌汁の表面にアブラムシが浮いていたり・・・。
同じく虫を食べるなんて想像すると虫唾が走るオットとの一致していた意見は、

きっと子供の頃から食べ慣れていれば平気なんだろうね。

ということでした。

日本人、特に昆虫食と疎遠になってしまった都会の日本人は、昆虫食ばかりか、虫自体と接する機会が少ないものです。
接する虫も、台所に出没するゴキブリとか、巣がうっとおしいクモとか、砂糖壷を狙ってくるアリとか、屋台骨をぼろぼろにするシロアリだとか、庭木やベランダの鉢植えに繁殖する害虫の類だとか、およそいいイメージのないものが多いのかも。
(まあ、見た目がきれいな蝶だとか、子供の虫取り対象の蜻蛉、蝉だとかは別かもしれませんが)

虫は役に立つものでも共存するものでもなく、見つけたら殺虫剤をかけるもの・・・というイメージの方が強そう。

そんな中で、昆虫食と疎遠な社会でも「虫を食べてみよう!」と提案する人たちがいます。
ただその提案の仕方がさまざま。

ヴィンセント・M・ホールト「昆虫食はいかが?」では、もっぱら虫を食べられないなんて言うのはおかしい!という理屈が前面に出ています。
偏見を持つなんておかしい、嫌悪感を持つなんておかしい、食べられないなんておかしい。
あまりにもその方向の観念で固めているので、ピーター・コックス「ぼくが肉を食べないわけ」(新版はこちら→「新版 ぼくが肉を食べないわけ」)を思い出してしまいました。似てるんですよね、なんとなく、観念的な圧力のかけ方が。
実はこの本、図書館から借りてきたものの、そのあたりの展開の仕方にどっと疲れが出ちゃって、最初の方で読むのをやめちゃいました。

梅谷献二「虫を食べる文化誌」には、昆虫食の浸透度の非常に低い国アメリカで昆虫食をひろめようとする人たちがいることが紹介されています。
ひろめる目的は、将来の食糧難に備えて、昆虫は有効な蛋白源、カロリー源となるから、というもの。
ミールワームという虫を調理して試食させる運動などしているようですが、梅谷献二によると、ミールワームという特に美味というわけでもないが、大量に簡単に手に入る虫を使っているが、後は味付けでなんとでもなると思っているような節があるとのこと。
虫の本来持つ美味しさを引き出すという方向じゃなくって、蛋白源だから、カロリー源だから、食べれるようにしようという側面が強いようです。

野中健一「虫食む人々の暮らし (NHKブックス)」の本は、それらの方向とは趣が違います。
まず虫を食べる文化をじっくりと見ることから始まります。
虫が食べられないのはおかしいとか、食糧難に備えて虫を食べれるようにしなきゃ、という方向はありません。

この本で面白かったのは、最後の章に著者の授業での昆虫食体験が紹介されていることです。
やはり異文化への理解を深めるためには、自分でできるだけ実体験することが重要と思って始めた昆虫食体験授業。
あちこちで手に入れた昆虫食の缶詰、乾燥品などを使って料理を作り、学生に提供すると、最初は敬遠していたけど好奇心で食べてみる人、食べる人がいるとつられて食べる人、最後まで食べれない人といろいろな学生がいるそうです。

私が著者を気に入ったのは、この昆虫食体験授業で虫を食べることを強要はしていないこと。
どうしても食べられないのなら、その「食べられない」という事実を前になぜだろう?と自分の中で考えを深めていくことが大事なのだと書いています。

一昔前、昆虫食がそれほど知識としても出回っていなかった時には、昆虫食なんて野蛮だ、そんなものしか食べるものが無いのか、という見方も多かったのだと思います。
逆に知識が増えてきて、昆虫食というのものに価値を置き始めると、今度は逆に食べられないなんておかしい、変だという考えが出てくることだってありえるでしょう。偏見をもつのはおかしい、嫌悪感をもつのはおかしい、と。

虫を食べること、虫を食べないこと。
それらを野蛮だの偏見だのの言葉でひとくくりにすることにはどうも違和感があります。
虫を食べない者から見れば、自分が虫を食べることを想像すれば明らかに嫌悪感があるのです。
その嫌悪感がどこから来ているのか、それを見定めないことには何も始まりません。
実際に存在する嫌悪感に偏見のレッテルだけを貼ってしまうと、そこから先には何も進むものがありません。

そして、そういうことは昆虫食だけに言えることではないでしょう。
他のどんな食材、どんな食文化にもそういう危険性がまとわりついています。

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posted by WCR管理人 at 11:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食文化
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