2009年05月30日

昆虫食の風景 野良と里山

野中健一「虫食む人々の暮らし (NHKブックス)」には「野良」という概念が出てきます。

著者がラオスの農村でさまざまな昆虫食を取材しているうちに感じたものです。

森を切り開き、田んぼ作り、水牛で耕す。
水牛の糞にはフンチュウが住み着き(このフンチュウも昆虫食の対象になります)、田んぼにはカメムシがやってくる。
田んぼを広げる時にも無闇やたらに樹木を伐るわけではない。
森と田んぼの境目が入り組むように田んぼを少しずつひろげてゆく。
森と田んぼの境目は昆虫を含むさまざまな生物の生息が活発なところ。
あたり一面田んぼにしてしまわないで、田んぼの中に立ち木を残しておく。
立ち木は木陰を作り農作業の休息所になる。
子供が家を建てる時の木材になる。
立ち木のまわりに蟻塚が残る。

人為的に農作に良いように環境を作り変えてはいくのだけど、自然が自分たちに利用しやすいような形でうまく共存していくようにすることも忘れない。

そういう形での人為と自然の組み合わせを野中健一は「野良」という言葉で呼んでいます。

この部分を読んだ時、私は「ああ、これは里山だ!」と思いました。

秋にハイキングなどに行くと、アケビの実がなっていないか探すことも多いのですが、アケビの実というのは人の営みからあまりに離れたところには少ないようです。
自然が豊富だけど、人の営みに近い場所。
そこに人為的なものをいつも感じていました。
アケビを取って食べたら、いつか生えてくるようにと、その種を近くの山のきわに蒔いておく・・・なんてことを昔の人たちはやっていたのじゃないのだろうかと。
里山と呼ばれる場所は、もともと里の人たちがいろいろ手を入れていました。
だから植相もただ自然のままにしたのとは違います。
毒草は少ないだろうし、有用な植物はできるだけ残しておくようにしたのだと思います。
動物、鳥も含め、いろんな生物相を人が利用しやすいような形でバランスが取れるように人為が加えられていたと思います。
(すみません、世間で一般に言われている里山というのがどういう概念かよく知らずに、自分だけの感覚で書いてます、ここ)

昨今でちょっとばっかし似たような概念としては「パーマカルチャー」というのが当てはまるのかもしれません。
ただ私はパーマカルチャーのことはよく知りません。
山や林の落ち葉、動物を飼ってその糞を利用する、資源を循環させるなど、近い部分はあっても、かなり人為の部分が強いようなイメージがありますが、さて本当のところはどうなんでしょう。

自分を含め、都会に住んでいる現代の日本人を見ると、野良からも里山からもずいぶん遠いところに来てしまったと思います。
野良という概念、里山という概念を、概念だけでなく、実生活に取り入れるためには、虫ともっと共存できないとだめなんでしょう。
虫を見ると虫唾が走るようではだめなんです、おそらく。

最近、野菜工場というのがブームなんだそうです。
輸入野菜に対する不安、農薬を使った野菜に対する不安などから、野菜工場で無農薬で作る野菜の需要が高まっているのだそうです。
この野菜工場というのは、施設での屋内栽培。蛍光灯による照明管理、栄養を含んだ水栽培、温度、湿度、二酸化炭素排出の管理などによって野菜を作ります。閉鎖的な空間で作るから、細菌も少なく(病気にかかりにくい)、虫もつかないというわけ。
もちろんエネルギーは使うし、設備のための初期投資は必要だし、その結果野菜の値段も高くなりますが、それでも需要があるからこそのブームでしょう。

無農薬野菜がいいとゆうなら、有機野菜でもええじゃないかと思うのですが、そうはならないのは(私の推測ですが)おそらく有機野菜には虫がいるからなんだと思います。
自然の中で、太陽の下で、大地に根を張って作った野菜では、(無農薬だと)虫をゼロにはできない。
買ってきた野菜にアブラムシがいるかもしれない、芋虫がいるかもしれない。
そんなのやだー!
という都会消費者の大きな隠れた本音が実は裏にあるのではないかと。

現在の日本人の潔癖さは「野良」や「里山」と相容れないんです。
自分にもそういう潔癖さがしみついているだけに、そう思います。
しかも環境適応力のある子供や若人ならともかく、私みたいに歳食って頑固になっちゃった人間はいまさらおいそれといろんなことを変えるのがムツカシイんです。
高度成長期に効率ばかり追い求め、化学肥料と農薬に走った親の世代をちょっとばかり恨みたくもなりますが、恨んだってしょうがないんです。

せめて次の世代、今の若い人たち、今の子供たちには、もっと野良的、里山的感覚を身につけさせたい。
今の日本人の潔癖さを次世代に引き継がせてはいけない。そういう気がなんとなくしてくるのです。

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