ようやくウィキクックレシピ(WikiCookRecipe)−みんなのレシピ みんなで料理−に食材情報を少しアップしました。
微生物食材、その中でもまず酵母。酵母と言えばなにはさておきパン酵母というわけで、生イーストに引き続いてのドライイーストとインスタントドライイースト。そしてインスタントドライイーストの中でも糖分の少ないリーンなパン生地に向く低糖タイプインスタントドライイーストと糖分の多いリッチなパン生地に向く高糖タイプインスタントドライイースト。
(青字の食材名をクリックしていただければ、該当食材ページが表示されます)
欧米のイーストはどちらかというと低糖タイプ(無糖タイプとも言うらしい)が主流だったそうですが、日本で作るイーストは高糖タイプ(加糖タイプとも言うらしい)が主流。
なぜかというと、もともと文明開化後パン食文化が日本に入ってきて根付いた当時、どういうパンが主に根付いたかというと、菓子パンなんですね。もちろん食パンみたいな食事パンもあったけど、ヨーロッパあたりでずっと食事とともにあったシンプルな小麦と水と酵母だけみたいないわゆるフランスパンとかカンパーニュとかそういうものが一般に広まったのはずっと後の話で、まずは菓子パン。木村屋のあんぱん、中村屋のクリームパン。重くてずっしりとしたパンじゃなくって、ふわふわとして軽くて甘いパン。
ですから、日本のイースト業界ではまず菓子パンに向くイーストを開発しないことには、商売にならなかった。
工業的に大量生産されるイーストというものは、もともと第一次大戦の折、ドイツで開発されました。
戦争なんてスローフードだのロハスだの昨今流行の方向とは対極にあるシチュエーションです。いかに、乏しい材料で、短時間に大量のモノを作らなきゃいけないか・・・。このモノは武器だったり、食糧だったりするわけですが、そういう必要に迫られて皮肉なことにいろんな発明が行われ、技術革新のきっかけになったりもします。
イーストだって例外ではありません。
自然界にはいろんな個性を持つ酵母がいます。
パン生地の発酵に使われるのはサッカロミセス・セレビシエ(サッカロマイセス・セレビシエ、Saccharomyces Cerevisiae)と呼ばれる種類の酵母ですが、同じサッカロミセス・セレビシエでも固体によって性質が少しずつ違います。
同じヒトという種に属していても、活発だったり、おとなしかったり、背が高かったり、低かったり、いろいろと個性があるのと一緒です。
ヨーロッパで主流のパンは、なにはさておき普段の食事に登場する甘くないシンプルな材料のパン。そういうパン生地の発酵に向いている固体が選ばれて純粋培養され、イーストとして売り出されるわけです。
こういうイーストを甘〜い菓子パン生地に使うと、どうなるか?
糖分の多い生地は浸透圧が強くなり、酵母の細胞が浸透圧に耐え切れず崩壊してしまうという現象が起きます。まあ、100%崩壊しなくても、何分の一とかでも崩壊すれば、それだけ酵母の数が減り、発酵能力が下がります。
そこで日本のイースト業界は、いろいろな酵母の中から浸透圧に強い性質を持つものを選び出しました。
これを純粋培養して作ったイーストが、高糖タイプのイーストです。浸透圧に強いから糖分の多いリッチな菓子パン生地に入れても酵母は押しつぶされないでちゃんと発酵します。めでたし、めでたし。
よくパン作りの本などには、生イーストは菓子パン向きで、フランスパンなどのリーンなパン生地には合わないという記述があります。これは日持ちのしない生イーストは輸入ものではなく、ほぼ国産だからなのです。国産のイーストは菓子パン向きのものが多く、欧米のイーストはリーンなパン生地向きのものが多い。
もっとも最近は国内でもフランスパン、カンパーニュ、ドイツパン、ライ麦パン、ベーグル、いろんな国のいろんなパンが全然珍しくなくなってきました。リーンなパンもかなり定着しつつあります。そのためきちんと把握していませんが、イーストもニーズに合わせて変わってきているのではないかと思います。最近のイーストは、このイーストが糖分の少ない生地向けのものか、糖分の多い生地向けのものか明記してあるものが多いようです(昔から?冷蔵庫にあるふる〜い、古いインスタントドライイーストには何にも書いてない・・・)。
各イーストの説明を参考に、作るパンによってイーストも使い分けるとよいでしょう。
でも、菓子パンなんてたまにしか作んないわよ、わざわざそのために高糖タイプのイーストなんて買ってらんないわよ、っておっしゃる方、低糖タイプのイーストでも菓子パンは焼けます。ただイーストの量を多めにして下さい。討ち死にするイーストの分をあらかじめ初期量を増やして補っておく作戦です。
さ、次は天然酵母の食材情報アップに挑戦だ〜!
これがまたなやましいんだけどね。
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